長く住める家を実現するために
2018年4月15日「日曜日」更新の日記
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- ここで日本の住宅産業界で大きな問題があることを指摘しておかなければなるまい。「メンテナンスフリー」という作為的な造語のことだ。もはや一般の人にもメンテナンスが不要というニュアンスでこの言葉は広まっている。だが、これは日本だけの誤った使い方なのだ。
メンテナンスフリーとは「メンテナンスが自由にできる」という意味であって、不要という意味ではない。
メンテナンスが不要な素材は何かといえば新建材と呼ばれる化学合成工業製品のことだ。有害な化学物質でつくられたニセモノの製品で、ときに猛毒を含んでいたりもする。生きた素材ではないから変化はせず、見た目にはそのままの状態が維持される。だからメンテナンス不要などとPRされているのだが、その厚化粧が取れたときは悲惨である。
たとえばビニールクロスや壁紙については、品番がどんどん増えていくため、ちょっと前のものでもすぐ古くなり、同じものをオーダーしても在庫切れだったり、あるいは製造中止になっていたりして、もとどおりに張り替えることはできない。
また、窓やドアについても、各メーカー独自の規格があって、年月がたつと同じ規格のものがなくなっていたりする。
これ以外にも、日本の住宅業界には数々の規格があって、バラツキが多い。だから、各企業ごとに全国一律で大量生産・大量販売をしなければコスト上ペイできないという問題がある。
また、サッシメーカーなどが今後倒産したりすると取り替えがきかず大変なことになるだろう。
このような状況を踏まえて、あえて欧米などから材料を調達している業者も少なくない。
欧米の住宅先進国は各素材について規格が統一されているため、その気になれば一般の素人でもプランブック片手に家は建てられる。また、家の価値を上げるために素材を塗りなおしたり、交換しさえすれば新築同様にもなる。
この住宅に使う素材のスタンダードがないのが日本の現状であり、メンテナンスフリーを間違った意味で使って、メンテナンスがしにくい家にしてしまったのは業者の怠慢である。あるいは建築行政のミスかもしれない。
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